いじめられた少女が「童話作家」を夢見た話
- Reiko
- 4月11日
- 読了時間: 3分
更新日:5月14日
「生きている資格なんてない」
「汚い、そばに来ないで」
そんな言葉を浴びせられ、
たった一人で泣いた日々がありました。
でも、そんなわたしの心に「光」をくれたのは、
童話の世界と、たった一人の優しい友達でした。
いじめの標的
わたしは小学生の頃から、いじめの標的でした。
男子15人がかりで殴られ、蹴られ、暴言を浴びせられ、机は離され、椅子には誰も座らない。
「お前なんか、生きる資格ない。」
「都会だったらとっくに殺されてるよ。」
そんな言葉が日常でした。
担任の先生が、わたしの隣の椅子を指して言いました。
「この椅子がどうかしたのですか?答えなさい!」
わたしはただ、心の中で叫ぶことしかできませんでした。
「お願いだから…先生、大げさにしないで…」
泣くことも、笑うことも、話すことも怖くなっていたあの頃。
⸻
でも、そんなわたしの心を救ってくれた人がいました。
高校生になって出会った、ある女の子。
彼女は本当に不思議な存在で、
まるで童話の中から出てきたような、可愛らしくて人懐っこい女の子でした。
「ねぇ、一緒に帰ろうよ!」
「手、つなごうよ!」
生まれて初めて、そんな言葉をかけてもらえた時、涙が出そうになったのを覚えています。
彼女の家に泊まった時、猫のダイスケと一緒に3人で寝た夜。
初めて友達と遊んで「楽しい」と思えた夜。
彼女はたくさんの童話の本を貸してくれました。
わたしはその物語の世界に癒され、夢中で読みました。
本を読んでいる時間だけは、いじめられたわたしじゃなくて良かった。
本の中の世界では、わたしは誰かに愛され、大切にされる存在だったから。
⸻
そして、わたしは決めました。
「わたし、童話作家になる。」
自殺ばかり考えていたあの頃のわたし。
だけど、自分の書いた物語が、誰かの心を救えるなら。
わたしのように苦しむ子どもが、一人でもいなくなるなら。
そんな思いが、わたしの夢の原点になりました。
創作のはじまり
それからわたしは、ポエムを書き、友達と交換し、創作の楽しさを知りました。
最初は子どもっぽいポエムしか書けなかったわたし。
でも、誰かに読んでもらえることが嬉しくて、一生懸命書き続けました。
恋愛のポエムも、自然や妹をモデルにしたポエムも、全部がわたしの宝物です。
文通が趣味になり、人の話を聞くことが大好きになり、気づけば「カウンセラーに向いてるね」と言われるようになっていました。
最後に⸻
わたしは今でも、あの頃の気持ちを忘れずに生きています。
誰かがくれた優しさは、巡り巡って次の誰かを救う力になる。
「言葉」には、人を殺す力もあるけれど、
「言葉」には、人を生かす力もある。
わたしの人生の物語が、あなたの心に小さな光を灯せますように。
今日もこの世界のどこかで、
誰かが心を癒され、
そしてまた一歩、生きていこうとする勇気を持てますように。
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